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犬の豊かな感情に気付かずに…

私の母も子供の頃、犬を飼っていたそうです。
拾ってきた子犬です。
名前は、チロ。
雑種だけども毛の長い、可愛い可愛いワンちゃんでした。
家は普通の貧乏で、お爺ちゃん、お婆ちゃん、母とその弟、そしてチロと、高校を卒業する頃まで一緒に暮らしていたそうです。
もう何十年も昔の、まだ写真がモノクロの時代です。
当然チロは家の中では暮らせません。
外で繋ぎ飼いの暮らしです。
当時はそれが当たり前で、栄養満点のご飯も無ければ動物病院も今のようには有りません。
犬に大金をはたけるような暮らしでも無かったと思います。
母はチロを大切に育て、とても可愛がっていたそうです。

お婆ちゃんは、モモの言うことを何でも聞いてくれています。
「あっちを撫でて」、「こっちを撫でて」、「まだ撫でて」とモモが言い、「はいはい」といつまでも聞いています。
どうしても手が離せない時は、「チョット待ってね、後でね。」と言い、律儀にも後でちゃんとかまっています。
食べ物のお代わりをねだられた時は、「そんなにたくさんはあげられないの。モモちゃん、ゴメンね。」と言っています。
モモが何か言いたそうにしていると、「はいはい、なぁに?」と聞いています。
そして私は通訳を頼まれます。

お婆ちゃんはある日、「犬がこんなに感情豊かな生き物だったなんてねー」と、しみじみとした面持ちで言いました。

きっと、チロとの暮らしを思い出していたのだと思います。
犬は外で繋いで飼うのが当たり前、お金をかけないのが当たり前の時代だったけど、本当はチロも、モモのようであったのだと思ったんだと思います。
一緒に暮らせばこんなにも触れ合う事が楽しくて、喜ぶ顔を見るのが嬉しくて、自分の犬に対する愛情もどんどん深くなるんだなと、少し、チロに悪かったなという気持ちになったと思います。

そんな時代生まれのお婆ちゃんが、モモの言うことは何でも聞いてくれています。
モモの希望に添えない時は、「ごめんねー」と、本当に申し訳なさそうに謝っています。
モモの気持ちを尊重し、自分の言うことを聞かせようとしたことは一度もありませんでした。

モモは、とても豊かな感情を持つ生き物であると、お婆ちゃんはしみじみ感じていたようです。

チロには「すまなかったね」と、心の中で謝ったと思います。

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