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せっかく戻って来たのに怒らないで

近所に住むノゾミちゃんは、ボーダーコリーくらいの大きさで、白と茶色の長毛美人。
だけども毛はパサパサボサボサで艶が無く、表情は固く目もオドオドしているものですから、何となく寂しげに見えてしまいます。
私は「何か悩みでもあるのだろうか」と思ってしまいました。
いつもお婆ちゃんと一緒にお散歩をしているノゾミちゃん。
趣味・特技は、どうやら「脱走」みたいです。
うちの近所のお婆ちゃん達は、犬に脱走される人が多いです。。

ノゾミちゃんは、前のジャックラッセル君のように、私が捕まえられる子ではありません。
ノゾミちゃんはとてもビビりで用心深く、知らない人や犬の所にホイホイと行くようなタイプではありません。
さらに驚くべきは、どんなに美味しそうな食べ物にも決して釣られないという、高貴なお方でもあるのです。
脱走されているお婆ちゃんに聞くと、スプーンで口に運んで少し無理に与えないと、普通のご飯もオヤツも食べないという話しです。
モモと私はビックリです。

ただ、ノゾミちゃんのビビリは逆に幸いで、車の前に飛び出したり、よその人やワンちゃんに寄って行くことがなく、何よりもいいのが、お婆ちゃんと一定の距離を保っているということでした。
一人でどんどん遠くに行くのではなく、お婆ちゃんとの距離を気にしながら、離れて匂い嗅ぎをしているんです。
ただチョットその距離が長く、5~6mといったところでしょうか。
「これはノゾミちゃんの遊びだな…。」と、私はそう感じました。
お婆ちゃんが5mより近づくと、キャキャキャッとノゾミちゃんは逃げていく。という遊び★
他人や他犬、ノゾミちゃん自身にもさほど危険は無そうに見えたので、私は捕まえる協力を諦めました。
それに、この時はジャックラッセル君の時と違い、私がまだPONOPONOを知る前のことですから、カーミングシグナルも出さない私が乱入したって、ビビリのノゾミちゃんは戻るに戻れなくなるだけだったでしょう。

そして何度目かの脱走は、モモとの散歩中に起こりました。
相変わらず測ったかのような見事な距離をとるノゾミちゃん。
モモはお婆ちゃんにニコニコと「こんにちは♪」をしに行きましたが、微笑みながらモモを撫でるお婆ちゃんは、少しお疲れの様子です。
結構長い時間脱走ゲームをしているんだろうか。。
「困ったねー…」と話しながら、しゃがんでモモを撫でるお婆ちゃん。
その時、遠くのノゾミちゃんが、気付いて「!!!」となりました。
そして「えー…」という感じでこっちに近づいて来たんです。
このまま静にしてたら近くまで来るかなーと思っていたら、それに気付いたお婆ちゃんが、「ヤキモチを焼いている!」と、チャンス到来に喜び勇んでしまいました。
あろうことか、「よ~し、よし!可愛いね!!」と、モモを大袈裟にワシワシ撫で始めたのです。
私はビックリして、「ちょっと、ちょっと!そんな乱暴止めて下さい!!」と言いました。
お婆ちゃんはモモを可愛がっているところを見せびらかして、ノゾミちゃんをおびき寄せる作戦でしたが、モモへの乱暴な接し方は、何人たりとも黙認することはできません。
モモも嫌な顔をしています。
そんな風にするならもう離れるかなと私は立ち去ろうとしたのですが、何とその後をノゾミちゃんが付いて来ます。
仕方がないので少しゆっくり歩き、お婆ちゃんはこちらに近付いて来るノゾミちゃんにコッソリと忍び寄り、わっしとシッポを捕まえて、そして脱走ゲームの幕は降ろされました。

捕まった後のノゾミちゃんは、嫌がるでも怯えるでも怒るでもなく、「終わったか」という感じで、静かにそこに座ってリードを付けられています。
私は「やっぱりそういう遊びなんだな」と思いました。
私とモモは一瞬不愉快な思いをしましたが、念のためその場に留まり見ていたら、リードを付け終わったお婆ちゃんは、案の定、脱走についてノゾミちゃんを叱り始めました。
私はすかさず「せっかく戻って来たのに怒らないで下さい。戻ったら怒られるって覚えてしまったら、今度は絶対捕まらなくなりますよ。」と言いました。
怒る代わりに優しくヨシヨシしてもらい、ノゾミちゃんは気持ちよく遊びを終わることができただろうか。
私はそのために、おそらく捕まえた後に怒るであろうお婆ちゃんのところに留まっていたんです。
そういう八つ当たりは、被害に会うのがヨソの子であろうとも、出来る限り見過ごしたくはありません。

やれやれと散歩を再開した私とモモでしたが、その後も何度か脱走ゲームを見かける機会がありました。
私はモモと一緒にいる時は、念のためノゾミちゃん達の脱走ゲームには近寄らないようにしています。

そして何年か月日は流れ、ノゾミちゃんの脱走ゲームを見かけなくなったころ、お婆ちゃんとお散歩しているノゾミちゃんの毛が、艶々フワフワになっていることに気付きました。
洗ったとか洗ってないとかそういうのではなく、本当に綺麗な毛になっているので驚きました。

ノゾミちゃん、あったのかどうかは知らないけれど、今は悩み事も無く楽しく過ごしているんだろうか。
ご飯もスプーンではなく、自分でムシャムシャ食べるようになっただろうか。
お婆ちゃんとはごくたまにしか会いませし、挨拶程度で立ち話をすることもありませんから詳しいことは何も知りません。
特に知りたいとも思いませんが、ノゾミみちゃんの艶々でフワフワになった毛が、「いい事あったんだよ♪」と言ってるようで、私は少し嬉しい気分になれるんです。

せっかく戻って来たのに怒らないで
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